(4)排尿改善と性機能温存…手術を受けてもどちらも諦めない
しかし今、少しずつ流れが変わり始めています。前立腺を切らずに尿道をインプラントで広げるPUL(前立腺吊り上げ術)のように、性機能を温存できる可能性のある治療が登場し、注目されるようになりました。保険適用外のケースが多いとはいえ、「性を守りたい」という男性の声が可視化されてきたのは、大きな一歩だと思います。
泌尿器科医の工藤大輔先生(八戸平和病院)はこう話します。
「欧米では前立腺手術を受ける患者さんは、積極的に性の温存を望みます。日本では何となく聞いてはいけないような風潮を感じます。男性として与えられた機能をいつまでも持ち続けたい、という気持ちを大切にしてほしいと思います」
日本では、男性が性の悩みを口にすることはまだハードルが高い空気があります。「この年でそんなことを気にするなんて」「恥ずかしい」と思ってしまう方もいるかもしれません。けれども、性を大切にすることは、恥ずかしいことでなく、“自分らしく生きたい”という、まっすぐな願いです。治療を選ぶとき、“諦める前提”ではなく、“自分の人生を守る選択”をしてほしい。医療は進化しています。あなたが望む未来をサポートしてくれる医師もいます。必要なのは、遠慮せず相談する一歩だけです。


















