(1)6年前、山手線で心肺停止に…AEDはあるのに使われない現実

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 私が倒れたとき、最初に動いたのは医療者ではなく、その場に居合わせた普通の人たちでした。駅員さんや乗客の方々が声を掛け合い、胸骨圧迫を交代で続け、AEDを手配してくれた。救急車が到着するまでの数分間が、命を左右する時間だったのです。だからこそ思います。救命は「誰か特別な人」の仕事ではなく、私たち一人一人の手の届く行動なのだと。

 救命救急というと、「勇気がある人がやるもの」と感じる方も多いかもしれません。でも現場で必要なのは、勇気の競争ではなく知識です。

 目の前で人が倒れたら、まず助けを呼ぶ。119番を頼む。AEDを持ってきてもらう。呼吸が普段通りでなければ胸骨圧迫を始める。AEDが来たら音声の指示に従う。完璧じゃなくていい。最初の一歩で、生存率は変わります。

 私自身、生きて戻ってから強く思うようになりました。「もし誰かが倒れたら、今度は動く側にまわりたい」と。救命は、特別な人だけがすることではありません。手順を知っている人が増えれば、動ける人が増える。動ける人が増えれば、救える命も増える。

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