(3)なぜ梅毒は家庭内に侵入したのか…見えてきた感染ネットワーク

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 かつての遊郭時代には女性を性産業へ送り込む仲介者を「女衒」と呼んだが、インターネット時代になって、その役割を果たす存在が新たな形で復活したとの見方もある。

 こうしたネットワークの特徴は、東京と地方都市を容易に結びつける点にある。SNSによって人の移動が活発になれば、感染症もまた人とともに移動する。感染者が特定の地域や業界の中だけで循環するのではなく、一般社会へと広がる条件が整っていたとも考えられる。

 もしこうしたネットワークの摘発後に感染連鎖が弱まったとすれば、SNSによる売春の組織化が梅毒流行の一因と言えるかもしれない。

 しかし、それだけでは妊婦梅毒の急増を説明できない。

 性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師が言う。

「妊婦梅毒の増加は、梅毒がかつてのような特定の集団だけの問題ではないことを明らかにしています。ネットを介して誰もが家庭にいながらにして、大人の交際ができるようになりました。その結果、感染は恋人や配偶者を通じて家庭へ持ち込まれ、生まれてくる子どもにも影響を及ぼしつつあります。梅毒が『家庭内に侵入した』という現実は、感染ネットワークが一般社会の中に深く入り込んでいたことを物語っているのです」

 なお、外国人観光客との関連を指摘する声もあるが、東京都の感染地データを見る限り大半は国内感染であり、海外感染例はごく少数にとどまる。少なくとも東京都では、今回の流行は国内で形成された感染ネットワークによって支えられていたと考える方が自然だろう。 =つづく

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