社員の毛穴に染み込むほど強烈 「正露丸」の恐るべきパワー
誰もが一度は飲んだことがあるだろう、ラッパのマークの正露丸。作っているのは大阪の「大幸薬品」という会社だ。100年以上前の日露戦争に兵隊が携行し、下痢や腹痛に劇的に効いたことからその名(当時は征露丸)が全国に知れ渡った国民的常備薬。しかし、なぜ効くのか知らない人は多いのでは?
「秘密は主成分である“木クレオソート”にあります」
こう言うのは、同社広報部の富田美貴さんだ。
「木クレオソートは、マツやブナの煙を精製して作る淡黄色透明の液体で、防腐剤に使われる石炭クレオソートとは異なります。1830年にドイツの化学者が精製に成功し、以来、消化器官によく効く薬として世界中に広まり、アメリカの南北戦争でも使われました。
日本では1902年から『忠勇征露丸』の製造販売が始まり、森鴎外が軍医だった頃に軍薬として研究され、日露戦争に携行されたのは有名な話。1946年に弊社が『忠勇征露丸』の製造販売権を得て以来、ラッパのマークの正露丸としてご支持をいただいています。
木クレオソートの効果は主に2つあり、1つは大腸のセロトニン受容体に作用し“腸の過剰な蠕動運動を正常に戻す”効果。2つ目は腸の水分の分泌機能に作用し“腸内の水分を調節する”効果です。つまり腸の動きや水分を調整して下痢を鎮めるのです。