借金ストレスで酒量が増えγーGTPの数値は「4027」に上昇
ストレスもあったのだろうか、糖尿病になるまで相変わらず飲んでいたが、仕事をしながら飲むというのは、いい傾向ではなかった。やはり酒というのは、仕事を終えてから飲まなければおいしくない。
借金は足かけ16年、51歳で完済したが、その十数年間はおいしい酒ではなかった。
借金については、今思えばおかしなことが多々あった。
「主人公が夜中に寝ている。その脇をダンプカーが通り、振動が起きた」
脚本にこう書いたのは自分だが、プロデューサーは手回しよく、「ダンプカーを運転手ごと手配した」と報告してきた。そしてすでに第2カメラマンが撮影済みと続けた。どれくらいかかったのか尋ねたら、「70万円」だという。もちろん、領収書などない。こんなことが続き、プロデューサーに預けていた金がどんどん消えていく。「今日、ロケ地に行くお金がない。監督、何とかなりませんか」と懇願された時は、さすがに泡を食った。