名曲喫茶ライオン<下>世界一の音「100年サテン」の一手

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 ライオンが最も賑わったのは昭和30年代だった。10時の開店前から、かけてもらいたいレコードを風呂敷に包んだ客が店前に並んだ。現在は1階と2階での営業だが、当時は3階と地下にもお客を入れた。それでも入り切らないので、相席はごく普通のことだった。

 巨大スピーカーから奏でられる、どこまでも奥行きある音を求めて殺到する常連客。その中にモーツァルトだけを聴きにくる人がいた。本人には心の中で決めている指定席があり、そこに先客がいれば、空くまで待つというほどこだわった。演奏中に他の客が物音を立てれば、「うるさい!」と怒鳴った。

 店の従業員が内々に「モーツァルトおじさん」と呼んでいたそのお客は、ある日、首にタオルを巻いて現れた。「そのタオルにクリーニング屋の名前と住所、電話番号が書いてあったのね。ああ、この人はクリーニング屋さんなんだって」。ライオンの現オーナー、石原圭子さんは60年も前の話を昨日のことのように語る。

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