学長は出口治明氏 立命館アジア太平洋大学はまるで外国
略称はAPU。別府市(大分県)の山の中に日本と思えないような雰囲気のキャンパスがある。言葉も肌の色もファッションも違う学生たちが、ごたまぜでたむろしているのだ。
創立は2000年だから歴史は浅い。それでも英国の高等教育専門誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」の「世界大学ランキング日本版2018」で21位にランクイン。私学に限れば、慶応、早稲田、上智、ICUに次ぐ5位で、本家の立命館(23位)より評価が高い。
特徴は、想像を超えるグローバルさ。これまでに147の国と地域から学生を受け入れていて、5月1日現在の学生数も国内が2920人で留学生が2906人とほぼ半々。教職員も半数は外国籍だ。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が言う。
「日本人学生の半分ぐらいは留学生と一緒に寮で生活しています。生まれた国や地域はバラバラなので生活習慣も全然違う。そんな人たちと共同生活をすれば、自然と文化的な知識と多様性が身に付き、コミュニケーション能力も鍛えられます。私が取材で訪問したときは学生たちが料理をしていたんですが、調味料や香辛料の使い方をめぐり意見を戦わせていました。日常的にお互いの主張をぶつけ合う環境にいられることは大きいですね」