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曽我和弘
著者のコラム一覧
曽我和弘

大学卒業後、ゴルフ雑誌や米国医学雑誌の編集を経て、あまから手帖社に入社。一貫して雑誌畑を歩む。99年にクリエイターズ・ファクトリーを設立。食分野を中心に取材・執筆のほか、食文化の継承や食の流行を作ったりと多方面で活躍。JR大阪駅構内などの飲食店もプロデュース。駅ナカビジネスの仕掛け人とも呼ばれる。現在は大阪樟蔭女子大で講師も務め、関西食文化研究会座長でもある。

日本料理 こよみ(守口)口内でとろけるような穴子の食感

「鰻のような脂っ濃いもんは、お江戸の人に食べてもろたらよろし」

 これは明石の某穴子屋の社長が発した言葉である。こう言い放つほど関西人は鰻よりも穴子を好む傾向にあり、古くから穴子寿司を名物として伝えてきた。「ここの穴子寿司は絶品」と評判を取るのがホテル・アゴーラ大阪守口の4階にある「日本料理こよみ」の寿司カウンターだ。

 同店の寿司職人・北井哲也さん(写真上)の話では、あまりの評判ゆえに今夏から“天晴(あっぱれ)穴子”と題した穴子寿司のセットを販売することになったそう。同品は、穴子握り寿司3貫に穴胡(あなきゅう)細巻きが1本ついたもの。1皿2200円だが、単品はもちろん、コースにもこれをプラスして注文する人が多いという。

 北井さんは、軟らかく仕上げたいと、生けの状態で穴子を仕入れ、その日の分だけをさばく。一度煮ておき、出す前に香ばしさを持たせるために軽くあぶってから握る。北井さんは、かつて江戸前寿司で修業をしていたことからシャリ以外はその流儀を用いる。そしてワサビを穴子の上にちょんとのせて供すのだ。「中にワサビを入れてしまうと、穴子の脂に負けてしまう。この方がワサビの香りも感じられていいんですよ」と教えてくれた。穴子は口内でとろけるような食感でなくなっていく。これがこの店の穴子寿司の特徴でもある。

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