加来耕三
著者のコラム一覧
加来耕三歴史家・作家

昭和33年、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科を卒業後、同大学文学部研究員をへて、現在は大学・企業等の講師をつとめながら著作活動を行っている。テレビ・ラジオ等の番組監修・出演などの依頼多数。著書に『加来耕三の戦国武将ここ一番の決断』(滋慶出版/つちや書店)『卑弥呼のサラダ 水戸黄門のラーメン』(ポプラ社)ほか多数。

自由民権運動を放り出して外遊も…板垣退助は変節漢だった

公開日: 更新日:

 板垣退助――50歳以上の人は、この名前を聞いて100円札の肖像を思い返すでしょうか。

 板垣は昭和23(1948)年に50銭紙幣の表面に登場。28年にこれが通用停止になるや、100円券の表面に引き続き登場しました。

「紙幣にも登場した偉人」ということになるのでしょうが、彼の本質は変節漢。変わり身の早さが取り柄でした。

 板垣は天保8(1837)年に土佐藩の上士・乾家の嫡男として生まれました。腕白坊主ながら、古代中国の兵法書「孫子」を愛読していたそうです。重臣の吉田東洋に目をかけられ、24歳で藩の免奉行、25歳で江戸御留守居御内役となりました。

 彼について明らかにいえるのは、政治家より武人としての才能のほうが高かったこと。戊辰戦争の際は、新政府軍の東山道先鋒総督府参謀となり、他に先んじて旧幕府方の甲府城に入城しました。板垣姓に改めたのはこのときのこと(32歳)。

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