ここから世界に広がった ガーナで人類の原点を振り返る旅
旅が面白いのは、そこにしかない景色や人、文化に触れられるから。ただし、人生は短く、訪れることができる場所は限られる。仕事や趣味で海外を飛び回る人たちは、どこで、どんな世界を見ているのか――。一度は行きたいと感じる「絶景」を届けよう。
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アフリカのガーナ旅で、海を仰ぎ大地を見晴らしながら撮った光景です。景色を眺めつつ、人類が旅立っていった原点に思いを馳せました。
先日、世界68カ国の旅先で撮った写真&文章で構成したエッセー本「逃げろ 生きろ 生きのびろ!」を出版したのですが、この本を書いたのは、私自身、逃げて、生きのびることができたからです。振り返れば、「自分を守るため」に、いろんな場所やいろんな人から逃げてきました。
でも、そもそも人類は「逃げる」ことで、生きのびてきたのです。700万年前、アフリカで生まれた人類が世界中に広がっていったのは「今いる場所」が何かしら居心地が悪かったからです。
「おいしいものが食べたい!」といった希望、「暑い(寒い)のが嫌だ」という不満、災害や人間関係の悩み……その時々の理由がなんであれ、生まれた場所が最高の居心地であれば、故郷から旅立つことはなかったでしょう。「生きのびるために逃げる」というのは、言い方を換えれば、「理想の場所を求めて旅立つ」前向きな生き方なのです。