40代、50代はライフシフトを考える 中高年が学び直す意味

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 人生100年時代を見据え、官民挙げて「リカレント教育」を推進している。リカレントとは学び直しのこと。具体的には大学や大学院で学び、新たなポテンシャルを引き出すことだ。では、実際に大学院でMBA(経営学修士)を学ぶ人たちの実態はどうなのか。多摩大学大学院の徳岡晃一郎教授に聞いた――。

 ◇  ◇  ◇

 ――人生100年時代となり定年という概念も変わってきました。

「ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が、『ライフシフト』という概念を提唱しています。人生には3ステージがあり、これまでは、22歳くらいまでが『教育』、60~65歳までが『仕事』、以降が『余生』という認識でした。それが今や男性の平均寿命は81歳、女性は87歳へと延び、80歳まで働く環境に変化しています。こうなると50代でも仕事の期間はまだ半分であり、残り30年近くあることになります。健康寿命の兼ね合いもありますが、100年生きるとなると、新たな能力を引き出す必要があるでしょう」

 ――50代の会社員ですと、定年退職も見えてきています。

「大学院で多くの生徒さんと接していると、大まかに言って50代は将来に対し『逃げ切り』の意識が高く、40代は『中ぶらりん』、30代は『お先真っ暗』といった捉え方をしています。バブル入社世代の50代は企業内でも人数が多く、“粘土層”となって凝り固まったケースが見受けられます。企業は企業で社員の活用法を開発せず、役職定年で給与を下げるくらいでした」

 ――アメリカでは企業が年間44兆円の社員教育予算を使っていますが、日本のそれは5000億円程度とされています。

「50代以上のサラリーマンは、職場内でどう仕事を見つけるか、『職域開発』の意識を持ってください。瞬発力では若い人に劣るかもしれませんが、『制度を整備する力』『人脈とトラブルシューティング力』『長いスパンで成果を見る力』では圧倒的に勝っています。簡単に言うと、暗記力のような『流動性知能』では負けても、周囲を納得させるような言語性の『結晶性知能』は、年齢と共に伸びます。経験や長年の勉強による『有識性知能』にいたっては70歳から80歳が有利。そのためには大学で学び直すようなことも、ひとつの方法となります」

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