コロナ患者が自宅で孤独死 家庭内感染無用心の盲点と恐怖

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 新型コロナウイルスの感染拡大に、病床確保が追い付かず、自宅療養や待機の患者が急増している。自宅療養と入院等調整中の患者は今月13日時点で4万人超と1週間で1.7倍に膨れ上がっている。保健所が4万人もの自宅患者を漏れなくフォローするのはもはや困難だ。神奈川県では一人暮らしコロナ患者の孤独死が起きてしまった。

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■3日間連絡取れず死亡

 神奈川県大和市に住む一人暮らしの70代男性は今月9日、転倒で負傷し、救急搬送された。37.3度の熱があり、ウイルス検査を受けたが、軽症だったので帰宅した。10日に陽性が判明し、11日に病院が保健所に発生届をファクス。保健所は2日後の13日にようやく男性の携帯に電話するが、不通だった。以降、3日間で計9回電話するも、つながらず、15日に男性宅を訪問すると亡くなっていた。

 もし、同居人がいれば、容体が変化した時点で病院に連絡を取り、助かったかもしれない。

保健所はすでに限界

 一人暮らしのコロナ患者は家庭内感染の心配がなく、軽症や無症状者は自宅療養するケースが多い。昨年8月7日に厚労省が自治体に通知した「事務連絡」では、自宅療養の対象者として〈独居で自立生活可能である者〉を1番目に挙げている。

 ましてや、感染急拡大の中、限られた病床や宿泊施設に軽症の独居人が入るのはますます難しくなる。感染させる相手もいないので、自ら自宅療養を希望する独居人も少なくないだろう。大和市のケースのような孤独死が他で起きてもおかしくない。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。

新型コロナウイルスは血液中の酸素濃度が低下していても、容体が落ち着いているように見える“サイレント低酸素症”が起きると指摘されています。帰宅時は軽症でも、その後、急変して死に至ることが起きうるのです。一人暮らしの自宅療養者の容体をタイムリーに把握することは差し迫った課題です。例えば、一人暮らしの高齢者を対象にオンラインで話をしたり、部屋に監視カメラを設置して、遠隔チェックするなどIT技術を生かすべきです。従来のやり方のままで保健所が膨大な業務をこなすのは限界があります」

 保健所の連絡が、大和市の男性の陽性連絡を受けてから2日後と遅れたのは業務がパンパンだからだ。神奈川県では陽性判明後に保健所が連絡できていない感染者が16日時点で約375人に上る。

 IT技術による自宅療養の改善余地はありそうだ。デジタル政策を看板に掲げる菅政権はいまこそ出番。これ以上、自宅療養者の孤独死を出してはならない。

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