光田健一さん 音楽に目覚めた中高時代にゴボウの牛肉巻き

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光田健一さん(作編曲家、ピアニスト、シンガー・ソングライター、54歳)

 東京芸大在学中から作編曲家として活動し、チェリストの柏木広樹とユニット「二人旅」の活動を続けているピアニストでシンガー・ソングライターの光田健一さん。音楽家の両親との食べ物の思い出は食卓と弁当で食べたゴボウの牛肉巻き……。

  ◇  ◇  ◇

「父親はピアニストで母親は歌手でした。キャバレー全盛の頃は2人で出掛けていき、父はピアノを弾き、それに合わせて母が歌っていました。一人っ子の僕は毎晩お留守番です。両親は僕が寂しがらないように出掛ける前におもちゃや本を与え、遊んでいる間にこっそり蒲田とか川崎、横浜に出掛けていました。帰ってくるのは夜中です。とても待ち遠しかったですね」

 カエルの子はカエル。両親の影響で幼少から音楽に目覚めた。

「お風呂では母と童謡を歌い、小学生の頃は『You Are My Sunshine』とか英語の歌を教えてもらいました。母はピアノも僕に教えようとするのですが、親子だから最後はケンカみたいになって。僕は『もういいよ!』って外に飛び出したけど、帰ると自分からピアノを弾き始めてましたね」

 中学生になって大きな転機が訪れる。

「吹奏楽部に入って金管楽器のユーフォニアムを担当しました。幸運は顧問の先生がヨーロッパのコンクールで入賞するような前衛的な現代音楽作曲家だったこと。僕が部長になった中3の時に先生の縁でウィーン青少年音楽祭に出場することになり、特別賞を受賞! 僕はその時『音楽で食べていく』って宣言しました」

ニンジン、インゲンと3種類

 ご飯の思い出は多感で音楽に目覚めたそんな時代。光田さんは取材の前に母・チエさんに中学生の頃のお弁当のおかずについて聞いてみた。

 返ってきた答えは光田さんと意見がピッタリ一致するゴボウの牛肉巻き。光田家のおふくろメシはこれで決まり!

「小学生の時は牛肉は噛み切れなくて喉を通らないので、好きじゃなかったんです。安い牛肉だったのかな(笑い)。それが平気になったのは中学生になって弁当のおかずでゴボウの牛肉巻きを食べるようになってからです。うちのはゴボウだけでなく、ニンジン、インゲンの3種類を巻いていました。色とりどりで見た目もキレイで。つまようじで留めた一口サイズを2個ずつ。それを順番に食べるとご飯との相性がとてもよくて。とくにゴボウの歯ごたえが好きでした」

 高校から芸大の先生に師事し、作曲のレッスンを受けた。

「書いた譜面を見てもらうレッスンが2週間に1回あったのですが、レッスンの週は毎晩深夜2時ごろまで譜面を書き続ける日々でした。朝起きてギリギリ学校に間に合うことも多く、2、3時限目が終わるとお腹がペコペコ。そんな時に早弁で食べる牛肉巻きはおいしかったですね。学校が終わってからレッスンに行くのですが、家に帰る頃にはクタクタで、食卓にとんかつが並んでるとうれしかったかな」

 チエさんはどんなお母さんだったのか。

「母は男きょうだいの間で育ちました。そのせいかお酒は飲まないのにつまみを作るのが好きで。牛肉巻きは自己流で覚えたようです。母のひと工夫は肉類は梅干しとの相性がいいからと、必ず梅干しが脇に置かれていました。そして抜群なのが母のぬか漬け。光田家の食卓では梅干しとぬか漬けが必須アイテムです」

 1浪後、芸大作曲科に合格し、プロ活動を始めてこれまで石井竜也、岩崎宏美、渡辺真知子らの作編曲を手がけ、スターダスト☆レビューのメンバーとしても活動してきた。今はチェリスト柏木広樹とユニット「二人旅」をメインに、セカンドアルバム「MAJESTIC」をリリース、記念のツアーを7月から予定している。

 ツアーは文字通り「二人旅」。食いしん坊にとってのお楽しみは……。

「柏木さんは食通ですから、全国各地のうまい店をよくご存じです。いつも『何が食べたい?』って聞かれるけど、実はどの店に行くのか決まっているんです(笑い)」

(聞き手=浦上優)

■光田流レシピ   
①ゴボウとニンジンは3、4センチの拍子切りに、インゲンは同じ長さに切って下茹でする
②茹でた野菜を牛肉で巻いて崩れないようにつまようじで留める
③油を引いたフライパンで全体的に焼く
④焼き色がついたら大さじ1.5の醤油と酒、砂糖(大さじ1)を合わせた調味料を入れて絡め、水分がなくなればOK

「MAJESTIC」リリース記念ツアー2021(愛媛・7月20日、山口・22日、京都・23日、広島・24日、島根・25日)

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