コロナ自宅療養 急変防ぐ「マイ健康観察ノート」の書き方

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 新型コロナウイルスの感染者数が急増。医療体制の逼迫や家庭の事情などで、自宅で療養する人が増えている。5日時点の全国の療養者数のうち自宅は2万8823人で、4月7日に比べると4倍だ。東京、大阪、兵庫ではいずれも自宅療養者数が過去最多になっている。容体の急変で亡くなるケースも相次いでいるだけに、万が一のときどんな点に注意すればいいのか。対応を考えた。

  ◇  ◇  ◇

 コロナ感染が疑われた人がPCR検査で陽性になると、「入院」「宿泊療養施設」「自宅」「福祉施設」で療養する。医療体制が逼迫しているエリアでは、重症・中等症の治療が優先され、軽症や無症状の人は、「宿泊療養施設」や「自宅」などで療養する。

 厚労省が定める基準はこうだ。軽症のうち、なおかつ重症化の4リスクが否定され、医師が入院の必要なしと判断したケース。4リスクは、「高齢者」「糖尿病や心臓病など基礎疾患がある人」「免疫抑制剤や抗がん剤などで免疫抑制状態である人」「妊娠している人」だ。

 この条件に当てはまり、なおかつ親や子供の世話などが必要な軽症者は「自宅療養」を選択することができる。宿泊施設では、常駐の看護師が行う健康観察は、自宅では保健所(または保健所が依頼した人)が確認することになっている。心配なのは健康観察や症状の変化だろう。

【Q】健康観察は電話で?

 電話のほかSNSのLINEで連絡がある。

【Q】何を確認されるのか?

 体温と咳、鼻水、倦怠感、息苦しさなどがチェックされる。ひどくなければ1日1回か2回で、症状によっては回数が増える。

【Q】ほかに自分で気にしておくべきことは?

「容体の急変に対応できないケースが意味することは、1日2回の健康観察では少ない可能性があることです。それを防ぐには、健康観察に関係なく1時間に1回くらいの頻度で、体温や息苦しさをチェックしておくことです」(聖マリアンナ医大神経内科元准教授・米山公啓氏)

【Q】特に重要な項目は?

「熱と脈拍、血中酸素飽和濃度(SpO2)の3つです。脈拍とSpO2はパルスオキシメーターで測ることができ、指に挟んで測定します。症状は自分の感覚に頼るのではなく、熱っぽさなら体温計の数字、息苦しさは脈拍とSpO2の数値で見ることが大切で、それらをメモしておくのです。SpO2は96%以上が正常で、92~93%と3ポイント程度の低下でもかなりの息苦しさを感じるレベル。ところが、その数値でも息苦しさを感じることなく急変したケースが報じられています。容体の変化をいち早く知るには、数値化したメモをこまめにとることが重要。症状に変化があるときだけでなく、それぞれの数値が『体温は37・5度以上』『SpO2は96%未満』になったら、すぐに連絡することです」(米山氏)

 SpO2の低下は体を動かすと、気づきやすい。逆に自宅療養でほとんど横になったりしていると、気づきにくい。軽いストレッチや筋トレをしてみて、いつもなら平気な運動で息苦しくなるのも要注意だろう。

【Q】パルスオキシメーターが自宅になくて…

 そういう人は、東京都の場合、「自宅療養者フォローアップセンター」に連絡すると、自宅に配送してくれる。連絡先は自宅療養の開始時に伝えられる。

 ほかの自治体の人は、保健所に相談するといい。

【Q】脈拍とSpO2はスマートウオッチでも測定できる

「最新のアップルやギャラクシーなどのスマートウオッチには脈拍とSpO2を測定する機能を備えています。しかし、誤差が大きいとされていますので、これで代用するのはよくありません。自分で用意するなら、1万5000円前後のものを買うといいでしょう」(米山氏)

 数千円の機種もある。安いものも誤差のリスクがあり、この価格帯がお薦めという。

【Q】感染した親が認知症で入院できなくて…

 都内にある認知症の高齢者施設でクラスターが発生したケースでは、入院先を確保するまで1週間を要し、容体が悪化した。在宅介護の認知症の親が感染した場合も、同様の状況が考えられる。

「軽症や無症状の人が自宅で親や子供の面倒を見ながら療養する場合、それぞれがマスクをして、感染者と健康な人の部屋を分けるのが原則です。しかし、感染者が認知症となると、限界があります。介護する人はマスクをした上で、目と鼻を覆うゴーグルやフェースシールドをして、排泄物の処理には手袋が欠かせません」(全国介護者支援協議会理事長・上原喜光氏)

 新型コロナ感染は、飛沫に含まれるウイルスが目や鼻、口から侵入したり、手などに付着したウイルスが目や口に触れたりして生じる。認知症の親の行動に不安がある以上、介護する側が徹底するしかない。

【Q】自分になついている猫の世話は?

 厚労省のマニュアルによると、人から動物に感染を広げる可能性がある。同居家族がいる場合、猫や犬などの動物の世話は、健康な同居家族に任せること。一人暮らしで感染者が世話をせざるを得ないときは、マスクをつけ、動物に触れる前後での手洗いや消毒が重要だ。

【Q】デイサービスを利用できず困る

「感染すると、デイサービスをはじめとする介護サポートプログラムを利用できなくなる恐れがあります。それで引きこもると、認知症が進んだり、身体機能が悪化したりするリスクが高い。ケアマネジャーに相談し、自宅でできる運動や作業を教えてもらうのがひとつ。もうひとつは、マスクなどで感染対策をした上で、話すことです」(上原氏)

 訪問介護や訪問看護なども拒否されるリスクがあるが、京都府では2月に訪問診療の専門チームが発足。

 おおむね75歳以上を対象に、感染者の自宅を訪ねて訪問診療を実施。自宅療養者の“希望の星”になっているという。この点についても、各自治体の保健所などに相談するといいだろう。

【Q】解除の目安は?

〈症状がある人〉
・発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過
・発症日から10日間経過以前に症状軽快した場合は、症状軽快後2回連続でPCR検査が陰性

〈症状がない人〉
・陽性確定した検体採取日から10日経過
・陽性確定した検体採取日から6日経過した後、2回連続でPCR検査が陰性

 どちらも、いずれかを満たすと、自宅療養が解除される。宿泊療養も同様。

 ☆ 
 
 ワクチンが普及するまで細心の注意で乗り切ろう。

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