自治体や宿泊施設から「ワーケーション」プラン続々 高級ホテル、露天風呂、愛犬と一緒に

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 テレワークの普及で急速に普及しているワーケーション。会社や自宅以外の場所で、趣味や休暇を兼ねながらマイペースで仕事をする働き方で、人生100年時代の新しい労働スタイルと注目されている。全国の自治体や宿泊施設でもさまざまなワーケーションプランを打ち出しているが、いったいどんなプランがオススメなのか?

 ◇  ◇  ◇

「ワーケーションとは非日常的な場所で仕事やさまざまな体験を行うことで、より良いライフスタイルを実現する方法のことです。2005年ごろ、テレワークが進んでいるアメリカで発祥しました」

 こう話すのは、一般社団法人日本ワーケーション協会代表理事の入江真太郎氏。

 2020年7月に発足した同協会では、全国の宿泊施設や自治体などと連携し、ワーケーションの普及を推進している。

 関西を拠点に観光業を営む入江さんもワーケーションの実践者だ。

「いつもと違う場所での仕事は、早く切り上げて観光や食事に出かけたいと思うのでむしろ仕事の効率が上がります。また、短期の旅行だと観光するので精いっぱいですが、仕事をしながらだと、長期的に地域に関わることになるので地元の人や文化とじっくり触れ合うことができます。観光では気づかない、その土地の本当の魅力を味わえるのが私にとってワーケーションの最大の魅力です」

7つのタイプから自分に合ったものを

 入江さんによると、ワーケーションは大きく7つに分類できる。

【休暇活用型】

(プライベートを充実させたい人向き)最もシンプルで、自身の趣味や地域での交流、街でやりたいことを実現しながら仕事をするやり方。日常の雑事に邪魔されず集中して仕事がしたい時にも向いている。

【拠点移動型】

(働く場所・環境を選ばない人向き)コワーキングスペースや多拠点住居などを活用し、「今週は鎌倉、来週は金沢」などといった具合に、ノマドのように移動しながら働くやり方。

【会議型】【研修型】【ウェルビーイング型】

(集中的にプロジェクトに取り組みたい人向き)会議型はひとつのプロジェクトを地方の旅館などにこもって集中して立案するイメージ。研修型は学びや体験を通じて社員の教育や親睦を図るのが主な狙い。ウェルビーイング型は主に企業側の主導で働き方を柔軟にすることで、社員の健康増進や会社へのロイヤルティー向上などを狙うもので福利厚生の考えに近い。

【新価値創造型】

(人との出会いを大切にしたい人向き)訪れた地域でたまたまワーカー同士が知り合い、偶発的に新たなビジネスが生まれたりする。ソフトウエア開発分野の人材が短期集中で開発を行うハッカソンなどアイデア合宿のイメージか。

【地域課題解決型】

(地域貢献をしてみたい人向き)ボランティアや副業を通じて地域貢献や地域課題解決を目指す。派生的に新しいビジネスが生まれる可能性も。

軽井沢プリンスホテルでSDGs学習

 では具体的にどんなワーケーションプランがあるのか。オススメのプランを選んでみた。

「休暇型」の一種といえるのが、神奈川県「箱根強羅グアムドッグ本店」(℡050・1748・6972)の「ワーケーション with DOG」プランだ。

 ズバリ、愛犬と一緒にワーケーションができる。対応客室には箱根連山を望む昇降式大型作業デスクと椅子、高速インターネット通信、マッサージチェアなどを完備。旅館にはデスクがないことが多いのでこれは助かる。さらに、愛犬がくつろぐためのケージとドッグアメニティーも用意。

「特に人気なのは露天風呂付きエグゼクティブスイートです。インターネット回線が独立しているのでセキュリティー万全で高速。60インチの大型ディスプレーで行うオンライン会議は、エグゼクティブ気分満点です」(宿主)

 1泊1人3万円~(エグゼクティブスイートは6万5800円~)と豪勢だが、愛犬と一緒なら仕事もはかどりそうだ。

「会議型」は長野県立科町が誘致に力を入れている。「立科WORKTRIP」と銘打ち、白樺高原のペンション1棟を丸ごと借り切ったり、リゾートホテルの会議室が利用できる。避暑地なので暑い時期は仕事がはかどりそうだ。宿泊料金は各施設に問い合わせを。

「研修型」の注目プランは、長野県軽井沢町の「軽井沢プリンスホテル」(℡0267・42・1111)の「SDGsワーケーションプログラム」。これは、ワーケーションを通じて企業のSDGs活動をサポートするというもの。森林の間伐や絶滅の危機に瀕した地産食材の援農、小規模ワイナリーでの農作業などさまざまなボランティア活動を用意。終了後には関係団体や自治体が「SDGs活動貢献レポート」を発行してくれる。1泊1人9534円~(2人1室利用時)。

1泊1万3000円が3000円に

「地域課題解決型」のオススメは、長崎県雲仙市の「雲仙・有明ホテル」(℡0957・73・3206)が行う「雲仙温泉テレワーク」プランがユニークでいい。

 これは布団の上げ下げや掃除、配膳や食器洗いなど、宿の仕事を1日4時間以上手伝えば、平均宿泊料金1泊1万3000円が3000円になるというもの。食事はまかない飯だが、長期滞在ならむしろ質素な方が健康にいい。

 実は記者も3泊4日で体験してみたのだが、宿の裏側が見られて楽しかった。また規則正しい生活が送れたので仕事もはかどった。割引で浮いたお金は地元の居酒屋の地酒と地魚に消えたが……。同ホテルを運営する平湯リゾートの平湯晃社長は「宿の人手不足を解消するのが狙いですが、これをきっかけに地元雲仙ファンになってくれれば」と抱負を語る。

 雲仙市もワーケーションの誘致に力を入れており、こうした自治体が増えている。もっとも、勤め人は会社の理解がネックになる。

「今はまだ社員の平等や勤怠管理、セキュリティーなどの問題で尻込みしている会社は多いが、テレワークに先進的な企業から少しずつ導入が進んでいます」(前出の入江氏)

 いっそ人事部などに提案してみてもいいだろう。うまく活用すれば、長い人生をより豊かに過ごせる。

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