自民党参院選「圧勝」予想が急変! “岸田インフレ”&スキャンダルのWパンチで焦り

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 通常国会は15日閉幕。1週間後の22日に公示予定の参院選(7月10日投開票)に向け、各政党・候補者の戦いが本格化する。内閣支持率の高さから「自民圧勝」との予想も出ているが、ちょっと雲行きが変わってきた。「岸田インフレ」や自民議員のスキャンダルに有権者が厳しい目を向け始めたのだ。

  ◇  ◇  ◇

 18歳女子大生との“未成年飲酒パパ活”疑惑が報じられ自民党を離党した吉川赳衆院議員に対し、与党内で辞職すべしとの声が強まっている。13日、自民党の世耕参院幹事長が「比例復活した議員なので自民党の議席だ。議員辞職を求めていきたい」と発言したのは、参院幹部として選挙への危機感の表れ。14日は公明党・佐藤国対委員長も「一緒に与党を構成する公明党も、多少なりとも(参院選に)影響を受ける可能性がある」と吉川氏の辞職を求めた。

■投票で「物価高考慮」が7割超

 自公の幹部が焦り出したのは、岸田政権に対する有権者の空気が変わりつつあるからだ。共同通信の世論調査(11~13日)で岸田内閣の支持率が前月から4.6ポイント下落(56.9%)し、物価高への岸田首相の対応について「評価しない」が64.1%に上った。さらには、71.1%が参院選の投票の際に物価高騰を「考慮する」と答えたのだ。

自民党の2ケタ敗北もあり得る

 自民には「パパ活」の他に「セクハラ疑惑」の細田衆院議長問題もくすぶっている。参院選は選挙期間が長く(最低17日間)、風が起きやすいと言われるだけに、「岸田インフレ」と「スキャンダル」のダブルパンチが選挙情勢に異変をもたらしかねない。

「衆院選のような地域密着選挙と違い、参院選は選挙区が広く、候補者は有権者から遠い。一度も候補者の顔を見ないで投票日を迎える有権者も少なくなく、政権選択選挙でもないので、その時々の政治課題に左右されやすいのです。物価高やスキャンダルで一気に政権与党への不満が高まる可能性があり、ギリギリまで分かりません」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 32ある1人区は「与野党一騎打ち」が前回の半分以下の11選挙区に落ち込み、自民の圧倒的優位が囁かれている。しかし実際は、野党に勝機のある選挙区では共産党が候補者を立てないなどの調整がなされているため、「自民党の2ケタ敗北もあり得る」(自民党関係者)という。複数区についても、北海道や東京の自民の2人目は当落線上にいて、少しの逆風で落選しかねない状況だ。

 有権者の怒りのマグマはたまっている。まだまだ分からない。

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