横綱大の里は3敗キープも…直せぬ「悪癖」が招いた賜杯争い大混戦
新横綱の試練といえば、そうかもしれない。
23日に霧島を破ったものの、すでに3敗を喫している横綱・大の里(25)。もっか2敗が4人、3敗が自身を含め6人と、賜杯争いは大混戦である。
苦戦の主な要因は「詰めの甘さ」。かねて指摘されていた悪癖で、象徴的だったのが今場所10日目の玉鷲戦だ。
立ち合いから相手の突き押しに押され気味になりながらも、右上手を取ることに成功。しかし、不十分な体勢のまましゃにむに攻め、土俵際で逆転の突き落としを食らった。
「大の里が冷静だったら勝っていた相撲」と、ある親方が言う。
「玉鷲は押し相撲一本の力士で、それこそ『組んだら幕下どころか三段目』と言われているくらい。横綱と組んだら防戦一方になるのは明白で、右上手を掴んだ時点で大の里の優位は動かなかったはず」
4日目の王鵬戦では押されると必死にはたこうと手をバタバタさせて自滅し、8日目は伯桜鵬に当たりを止められるや、頭を抱えて引いてしまった。