著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

学習院初等科の“イメージ回復”に要した10余年…愛子さま「登校問題」で志願者急減

公開日: 更新日:

「地に落ちたイメージもようやく回復しつつある」と安堵の表情を見せるのは学習院初等科OB。大学まで16年間ずっと学習院ですごし、同窓会「桜友会」の社員(役員)も務めている。

 2008年4月、愛子さまが学習院幼稚園から初等科に入学すると、その人気は一気に上昇。同年11月に行われた09年度入試(80人募集)の志願者数は918人で11.5倍と、空前の倍率を記録した。

 異変が起こったのは10年2月。クラスに乱暴な男子がいて、恐怖を感じた愛子さまは登校できなくなってしまった。まもなく報道されるところとなり、初等科に対するバッシングが激しくなっていく。

 受験を考えていた保護者の間で敬遠する動きが出て、同年11月に行われた入試の志願倍率は「7倍を切るまで急落した」(OB)のだった。

「学習院側はこの年から志願者数を公表していない。凋落を知られたくなかったのだろう」と幼児教室経営者は推察する。
その後も衰退は止まらなかった。お茶の水女子大学付属幼稚園に通っていた悠仁さまが小学校もそのまま同付属に入学。初等科に迎えることを願っていた学習院関係者たちを失望させた。13年春のことだ。

「幼稚園を学習院でなくお茶大付属を選ばれた段階で嫌な予感はしていた」と話すのは学習院大文系教授だ。

「秋篠宮邸のある赤坂御用地と初等科は目と鼻の先。徒歩で通える。車が必要なお茶大付属に比べるとアクセスははるかに有利なので、こちらを選ばれると思っていたのだが、期待は見事に裏切られた」(同)

■秋篠宮家のアンチ姿勢も逆風

 その後さらに秋篠宮家のアンチ学習院の姿勢があらわになっていく。長女・眞子さんは学習院女子高から国際基督教大へ。いったん学習院大に進んだ次女・佳子さまも中退し、やはり国際基督教大に入った。

 悠仁さまは中学もお茶大付属に進み、高校からは筑波大付属に入学。2年生となった現在、大学がいろいろ取り沙汰されている。東大農学部への推薦入学が有力視されてきたが、「秋篠宮家としては世間の反応も意識しながら、熟慮を重ねているところ」(宮内庁担当記者)だという。

「大学4年の愛子さまが卒業すれば、学習院に在学する皇族はゼロになるが、学校側としては生まれ変わるチャンスを与えられたともいえる」

“学習院=皇室”という既成概念からの脱却が学校にとってプラスに働いていると、この文系教授は話す。事実、初等科は一時の低迷から抜け出した感がある。ここ3年の志願倍率は9倍台後半(推定)で推移。人気もだいぶ戻ってきた。

「やはり学習院ブランドは強く、学生の就職率は97%台を誇る。大学までの内部進学が約束されているわけではないが、初等科に対する保護者からの信頼度は抜群」(前出の幼児教室経営者)

 新生学習院が今後どう変わっていくのか、その動向から目が離せない。



◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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