あふれる冷や酒で甘くなった舌をマティーニで締める

公開日: 更新日:

 さて次は日本酒で甘くなった舌を引き締めることにしよう。線路沿いにあるスナックビルを横目に人通りの少ないエリアへ抜けると、2階にオーセンティックバーの名店「テンダリー」がある。

 上を見上げると大きな窓からずらりと並んだ洋酒のボトルと、店主・宮崎優子さんが店内を睥睨(へいげい)している姿が目に入る。窓際のカウンターには幸い、まだ誰も座っていないようだ。その席に案内されることを期待して狭い階段を上がっていく。「お待ちしてました!」。この店の第一声は「いらっしゃいませ」ではない。こんなアタシを待っていてくれたのか。そんな気にさせるもてなしの言葉を受けて窓際のカウンターへ。春になると、店の前の公園の桜を窓一面に見ることができる。この席での花見酒は何にも代えがたい。

 宮崎さんは女性では初めてのバーテンダーズ機構チェアマン。が、偉そうなそぶりはみじんもなく、優しい笑顔と流麗な手さばきで絶品カクテルを作ってくれる。早速カクテルの王様マティーニをオーダー(1700円)。強いカクテルは苦手という方には、20種類以上あるオリジナルカクテルがおすすめ。中にはカクテルコンテストで優勝した逸品も。そんなカクテルを求めて毎夜老若男女で満員御礼。アラ還世代のアタシらがシングルモルトをなめている横で、バー初心者の若者もカクテルを楽しんでいる。

 ただし、居酒屋チェーンのノリで騒いでいると宮崎さんに一喝されるぞ。チェアマンはお行儀にはうるさい。「いつも、どこで飲んでらっしゃるんですか? 毎回毎回、お久しぶりって言ってる気がします」なんて、アタシみたいに冗談半分の嫌みを言われたくて来る客もいるけどね。(藤井優)

○大衆酒場 富士川 大田区大森北1-9-8
○テンダリー 大田区大森北1-33-11 大森北パークビル2階

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?