川崎で50年「やきとり泉家」のオーナーがくぐり抜けた“切った張った”の荒っぽい時代

公開日: 更新日:

「手を広げないことと危ない連中とは関わらないこと」

 人が集まるところにその筋の関係者も集まってくる。世は高度成長の名残。京浜工業地帯の大企業の社員が毎晩押し寄せたという。「そりゃあ、すごかったよ。夜なんか人がいっぱいで歩けなかった」。そんな時期に藤木店長も勢いに乗って異なる業態の居酒屋を出店。「でも、60歳の時にやめて、焼き鳥一本にした。その方が間違いないだろ」。確かに焼き鳥が嫌いだという人に会ったことはない。

 長く続ける秘訣は「手を広げないことと危ない連中とは絶対に関わらないこと」。口で言うのは簡単だが、なかなか大変だと思いますよ。強固な意志が不可欠だ。

 ここで名物ハツ刺し(200円=写真)2本と酎ハイ(400円)を追加。このハツ刺しが絶品。シャッキリした歯ごたえとネットリしたコクがたまらない。最近の客層は変わった?

「うちは昔から変わらないね。会社関係が多い。上司が部下を連れてくると、その部下がまた後輩を連れてくる。そうやって続いてる」

 理想的だ。話している間も2~3人の客が引きも切らず入ってくる。カウンター裏のテーブル席は、ほぼ満席。さすがにコロナ禍は大変だったでしょ?

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性