ドイツを歩く(上)「ベルリンの壁」崩壊から35年…平和運動の発祥地ライプチヒで中世に迷い込んだかのような錯覚に

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「コーヒーハウス・リケー」では日本茶や中国茶の提供も

 カフェひとつとっても味わい深い。旧市庁舎から歩いて1分の場所に位置するのが、入り口に象の彫像があしらわれた「コーヒーハウス・リケー」だ。もとはコーヒーや紅茶などを扱う貿易商(1745年創業)の商館だった。コーヒーやケーキだけでなく、日本茶や中国茶も提供しており、建物の側面には「Japan」の文字が見て取れる。

 リケーのイチ押しは「エレファント・コーヒー」。象が好む南アフリカ産の木の実「マルーラ」を原料とするリキュールと一緒に、ホイップがのったコーヒーをたしなむスタイルだ。

 リキュールはバニラとキャラメルを混ぜたような味わいで香りが高く、コーヒーとの相性は抜群。店員に飲み方を聞くと、「混ぜてもいいし、別々に飲んでもいいし、お好きにどうぞ!」とピカピカの笑顔で答えてくれた。個人的には、リキュールをエイヒレのごとくチビチビなめながら、コーヒーを楽しむのがオススメだ。

■東西統一の原点

 ライプチヒは現代史でも重要な役割を果たしている。「ベルリンの壁」の崩壊へとつながる平和運動の発祥地なのだ。

 旧市庁舎のすぐそばにある聖ニコライ教会。私的な集会が禁じられていた東ドイツ時代、毎週月曜に開かれていた教会での集まりがやがて社会運動へと発展していき、約7万人が市中心部に集結した非暴力・非武装の「平和革命」(89年10月9日)へとつながったという。「ライプチヒは東西ドイツ統一の流れをつくった原点」(地元ガイド)だ。

 毎年10月9日、平和革命を記念して「光の祭典」が行われている。=後編につづく

(高月太樹/日刊ゲンダイ

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