ベヒシュタイン・ジャパンの社長に聞いた「世界三大ピアノ」の音の違いと趣味としてのピアノの魅力

公開日: 更新日:

ベヒシュタイン・ジャパン 加藤正人社長

 スタインウェイ、ベーゼンドルファーと並ぶ世界三大ピアノの一角を占めるベヒシュタイン。クラシック音楽界だけでなく、ポール・マッカートニーフレディ・マーキュリーら数多くのポップスターにも愛用される名器だ。そのベヒシュタインを日本で販売するベヒシュタイン・ジャパンの加藤社長に、ピアノを取り巻く奥深い世界について語ってもらった。(前後編の【後編】)

  ◇  ◇  ◇

【Q】三大ピアノの音色の違いを教えてください

 ドイツのベヒシュタインは立体的な音が特徴で、低音から高音まで各音域のバランスが良く、音の輪郭がはっきりしているのが魅力です。オーストリアのベーゼンドルファーは優雅で上品な音色が持ち味。中音域が豊かで、なめらかな音の広がりが感じられます。アメリカのスタインウェイはパワフルで芯のある音が特徴。音に迫力があり、演奏者の表現力を存分に引き出してくれます。どのピアノにも個性がありますが、自分の好みに合った音色を探すのも楽しみのひとつですね。

【Q】なぜベヒシュタインはポップスターに人気なのでしょうか?

 ベヒシュタインのピアノは、繊細で表情豊かな音色が特徴です。歌を引き立ててくれるような伴奏に適しているんです。ポップスの作曲家は、ピアノで弾き語りをしながら曲を作ることが多いので、歌いやすく演奏しやすいピアノが求められます。ベヒシュタインは音の輪郭がはっきりしているので、歌のメロディーラインを際立たせることができるんですね。

 愛用者で最も有名なのはビートルズのポール・マッカートニー。ホワイト・アルバムのピアノの音はベヒシュタインです。イギリスのロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーもベヒシュタイン愛用者でした。最近ではレディー・ガガの録音でベヒシュタインを使っています。日本の忌野清志郎さんも、ベヒシュタインのアップライトピアノをご自宅のプライベートスタジオに置かれていました。がんになられて、復活コンサートを武道館で開催した時は、フルサイズのグランドピアノを貸し出しました。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波