コメ不足と価格高騰のナゼ? 在庫過剰と需要減退が常態化していたはずなのに

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 数年前まで需要減退、過剰在庫が常態化していたコメの不足が騒がれている。一部では品薄状態が続き、“物価の優等生”の卵が高騰した際も微動だにしなかったコメが値上がり傾向にあるというのだ。

 だが、農水省によると、令和5(2023)年産米は、猛暑の影響で新潟産コシヒカリなど1等米の収穫量は減っているものの、全体では前年並みで在庫は逼迫していないという。今どういう状況なのか。米流通評論家の常本泰志氏に聞いた。

「昨年の作況指数は101なので、農水省の発表通り在庫は十分なはずなのに、なぜコメ不足が起こっているのか。田んぼの面積に対する収穫量を示す作況指数にカウントされにくいのが、収穫後、粒の厚みが基準に満たない網下と言われるコメで、網下米は令和4年の約半分、10万トンほどマイナスです。これらは主に病院など公共施設に卸されるほか、他のコメとブレンドして外食チェーンなどで使われます。こうした安いコメほど価格が上がっている状況です」

 猛暑による品質低下で新之助などの1等米だけでなく、業務用スーパーなどで販売されている廉価なコメも不足している。不足の一方でコメの需要は旺盛で、その原因としてインバウンド(訪日客)の影響があげられているが……。

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