著者のコラム一覧
相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

懲りない財務省…審査会の答申を無視して情報不開示の前代未聞

公開日: 更新日:

 その結果、以下のことがわかった。

1、24件のうち7件は文書の保存期間が切れて残っていなかった。
2、5件は、審査会の答申が不開示を妥当としたのに官庁が自主的に開示に転じたものだった。
3、7件は、答申に全面的に従ってはいないが、開示の範囲を広げたか、最終的には答申に沿った決定となった。
4、3件は、答申に従わなかったが、その後裁判で負けて開示に転じた。

■弁護団「1審判決の誤りは正されねばならない」

 そうすると、審査会の答申にまったく従わなかったケースは残りの2件しかない。しかもこの2件は、対象となる文書が存在することは認めた上で開示しなかったものだった。ということは、今回のように文書があるかないかも認めないまま答申に従わなかったケースは、前代未聞の不当なものだったということが明らかになったのだ。

 弁護団はこの調査結果を書面にして裁判所に提出。裁判の判決で不開示決定が覆ったケースがあったことを踏まえ、今後の情報公開請求への重大な悪影響を防ぐためにも1審判決の誤りは正されねばならず、裁判所の責任は極めて重大だと指摘している。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  2. 2

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  3. 3

    選挙3連敗でも「#辞めるな」拡大…石破政権に自民党9月人事&内閣改造で政権延命のウルトラC

  4. 4

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  5. 5

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  1. 6

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

  2. 7

    「デビルマン」(全4巻)永井豪作

  3. 8

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  4. 9

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  5. 10

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学