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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

激戦州ペンシルベニアで目撃した新たな“分断”民主党のブルーがパープルに、そして共和党のレッドになった日

公開日: 更新日:

ここ数年で共和党のトランプ支持が増えた

 投票を終えた人に話を聞く。この小学校の教頭でトランプに投票したという男性は、「この地はかつて圧倒的に民主党のブルーだったが、ここ数年共和党のトランプ支持が増え、レッドが混じったパープルになった。家族や友人の中でもトランプとハリス支持が入り交じっており、喧嘩をしたくないので政治の話はタブーだ」と語った。

 またハリスに投票したという元大学教授の男性は、「ここは、高卒以下の白人労働者階級の町だ。かつては民主党支持だったが、今や彼らが惹きつけられているのは共和党のトランプだ。彼は労働者を理解し、退役軍人や警察官を大切にする愛国者と思われているからだ」。

 白人労働者階級は、民主党は高学歴のエリート党になったと感じているだけでなく、反感すら持っているという。

 今回バックス郡はわずかの差でトランプを大統領に選んだ。同じ理由でこれまでブルーだったアメリカの郊外や農村部の多くが、パープル、さらにはレッドに変わり、トランプの予想以上の強さにつながったと考えられている。

 24年の大統領選は、ハリスを支持する都市部の高学歴者と、トランプに投票した地方の低学歴労働者という新たな分断を、はっきりと見せつけた選挙でもあった。 

(シェリーめぐみ/NY在住ジャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 トランプ前大統領の132年ぶりの返り咲き当選で、高市早苗前経済安保相が注目を集めている。一体、なぜ? ●関連記事【もっと読む】『トランプ復権に“高市一派”が大ハシャギ…クセ強大統領と渡り合えるのは「早苗総理」だけ?』で詳しく報じている。

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