著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

那覇地裁が異例の謝罪 裁判はなぜ時間がかかりすぎるのか

公開日: 更新日:

 今月、那覇地裁で、被告人の男性が不正アクセスにより多額の金銭をだまし取ったとして懲役4年6月の実刑判決を受けました。この事件の判決言い渡しで、裁判官が被告人に謝罪するという珍しい出来事がありました。起訴から判決言い渡しまで、約2年もの月日を要してしまったことから、裁判官は「2年というのは長すぎた」「私の力量不足で、この場でおわびしたい」と述べ、被告人に謝罪したようです。

 この報道を見た僕の感想は、「こんな事件いくらでもあるよな」というものでした。

 確かに2年という期間は長いですが、被告人が無罪を主張している事件や裁判員裁判対象事件では、裁判が長期化することは珍しくありません。日弁連によれば2022年の裁判員裁判対象事件の平均審理期間は13.8カ月、その中でも否認事件の平均審理期間は16.5カ月のようですし、私が担当した裁判員裁判は最初の逮捕から第1審の判決まで3年半かかったケースもあります。

 公判が長期化する理由としてよく挙げられるのは、検察官による追起訴や証拠開示等の手続きに時間がかかるということです。例えば詐欺事件では、同じ犯罪組織が同じ態様で詐欺をしているのに、被害者ごとに再逮捕を繰り返します。しかも、一件が起訴された後、すぐに次の件で再逮捕せずに、数週間経過してから再逮捕することもあります。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑