飲み屋の倒産件数がコロナ禍超えで過去最多更新…コスト高と人件費増のWパンチ

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 馴染みの店がなくなった──という人もいるのではないか。「居酒屋」など街の飲み屋が次々に潰れていることが分かった。

 東京商工リサーチによると2024年度の「酒場、ビヤホール(居酒屋)」と「バー、キャバレー、ナイトクラブ」など飲み屋の倒産件数は、276件(前年度比17.4%増)と、1989年度以降では、過去最多を更新したという。

 これまでの最多は、2023年度の235件だった。2年連続、前年度を上回っている。飲み屋の倒産は、コロナ禍で来店客数が激減した2020年度に230件と最多を記録したが、2022年度は161件まで減少していた。昨年度の倒産件数は、コロナ禍も上回ってしまった。

 原因別では、販売不振が246件(同18.2%増)と全体の9割(89.1%)を占めた。個人店が52.89%を占めるなど、小規模店が全体の9割に達している。

 東京商工リサーチ情報本部の坂田芳博課長がこう言う。

「食材高騰など『コスト高』と、人手不足による『人件費増』のダブルパンチが倒産の大きな原因になっています。馴染み客が多い個人店は、コストアップを価格転嫁するのが難しい。値上げすると客足が減るリスクがありますからね。コストを抑えようとしても、食材を仕入れざるを得ないなど、どうしてもランニングコストがかかるという事情もあります。本来、客を呼ぶために新メニューの開発なども必要なのでしょうが、個人店の多くが効率を考えてメニューを減らしているのが実態です。企業の交際費が戻らないため、接待に使われるナイトクラブやバーの倒産も増えています」

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