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石井しこう不登校ジャーナリスト

1982年生まれ。中学受験を機に学校生活が徐々に合わなくなり不登校に。19歳からは不登校の子どもや親など400人以上に取材。5月14日に新著「学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること」を出版。

(1)静かに顕在化する「不登校離職」の現実…子どものケアと仕事の両立が困難に

公開日: 更新日:

「まさか、うちの子が……」と、ほとんどの親御さんが思うのが不登校です。不登校はけっして他人事ではありません。2023年度の小中学生の不登校は過去最多の34万人。それも氷山の一角で、保健室にしか登校できないなど「不登校傾向」は推計100万人(日本財団調べ)。「誰にでも不登校は起こりえる」と国は一貫して警鐘を鳴らしています。

 そして今、静かに顕在化し始めているのが「不登校離職」という現実です。不登校離職とは、お子さんの不登校に悩む親御さんが、子どものケアと仕事との両立が困難になり、やむを得ず離職を選択せざるを得ない状況を指します。想像してみてください。お子さんの心身のケア、学校との連携、将来への不安……。それらすべてを抱えながら、これまでどおりに仕事を続けることがどれほど困難か。不登校離職は、不登校した親の5人に1人に上るという調査もあります(SOZOWスクール小中等部調べ)。

 もし、あなたが管理職であれば、部下が不登校離職に追い込まれることは、チームの戦力低下に直結します。代替要員の確保、業務の再分配、何よりも、これまで積み重ねてきた社員のキャリアという会社の財産を失うことになるのです。同様に、あなたが不登校離職者の同僚でも、職場全体の士気や業務効率への影響は避けられないでしょう。不登校は単に子どもが「学校へ行きたくない」という問題ではなく、家族全体の苦悩であり、社会全体が向き合うべき「問題」でもあるのです。

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