離乳目前に保護された野良猫母子のラッキーな余生

公開日: 更新日:

 離乳期とはいえ、子猫を抱えた母猫が警戒心を強めるのは当然で、そんな母の姿を見て育つ子猫も今後、警戒心を強める恐れがあります。そうなると、子猫はヒトを怖いものと認識し、ヒトに懐きにくくなるので、母猫には気の毒ですが、里親探しをお手伝いするので母から離して子猫2匹を連れてきてほしいと指示しました。

 もちろん、引き離すときの母猫の抵抗は強く、かなり怒ったそうです。連れて来られた子猫2匹も当初はシャア、シャアと警戒していましたが、次第にわれわれスタッフに懐きました。

 写真は当院に来て3、4日目です。私の手の中で安心するようになったほど懐いたことでスタッフはじめヒトにも慣れ、無事に里親さんも決まりました。里親さんが引き取りにこられたときは、そのご家族のお子さんが抱っこしても気にしないくらい警戒心はなくなっていたのです。

 実家で飼われている母猫も避妊手術を済ませているので、黄体ホルモンの分泌が低下すれば警戒心もほぐれて、もうすぐ懐くと思います。たとえ保護されなかったとしても子猫が離乳すれば、母としては子離れの時期ですから、母は母でかかりつけの方の実家の一員として過ごせば無事に落ち着いた余生を過ごせるでしょう。

 子猫は3カ月ほど離乳までの期間を母猫に育てられると、社会性も身につきます。その点でも母猫の育児に勝るものはありませんから、実家で保護されたのは理想的なタイミングといえるでしょう。

 (カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 2

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  3. 3

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  4. 4

    参院選千葉で国民民主党に選挙違反疑惑! パワハラ問題で渦中の女性議員が「証拠」をXに投稿

  5. 5

    石破首相の参院選応援演説「ラーメン大好き作戦」ダダすべり…ご当地名店ツラツラ紹介も大半は実食経験ナシ

  1. 6

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  2. 7

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  3. 8

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  4. 9

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  5. 10

    「サマージャンボ宝くじ」(連番10枚)を10人にプレゼント