人形町の老舗洋食店「来福亭」のメンチ付きオムライスと冷えたビールで整う

公開日: 更新日:

創業当時からの建物がそのまま

 甘酒横丁の交差点を明治座と反対側に行くと映画のセットのような店が並んでいる。この辺りは奇跡的に空襲の被害には遭わなかったらしい。だから創業当時からの建物がそのまま残って営業している。来福亭の引き戸を開けると左側に細いテーブルが2つ。奥が厨房だ。テーブルに年配の先客がいたので2階の座敷に上がらせてもらう。急な階段を上がると4畳半が2間。それぞれにテーブルと座布団。客はおらずアタシだけ。最近は膝だの腰だのが痛いからと敬遠していたが、こういった古い家屋の座敷はいいものである。閉め切ったガラス窓には昔ながらのねじ込み式の鍵が付いている。幼い頃に住んでいた古い家を思い出す。

 感慨にふけっていると階段を上がる足音が。店の女性がお茶を出してくれた。瓶ビール(650円)とオムライスのミニメンチ付き(1200円)を注文。注文を取りに来たのは、現在店を切り盛りする4代目ご夫婦のお嬢さんだ。「5代目ですね?」。こう水を向けると「いや~どうなんでしょ……。店も小さくて古いですし」と笑いながら困った顔をされている。レトロブームとSNSが重なり多くの人が店を訪れるだけに、高齢の4代目ご夫婦にはご苦労なことだろう。

 ところで、この日の東京は今年初の35度。そんな日に冷房の効いた静かな座敷で冷たいビールを飲むこのぜいたく。しみじみとサイコ~。そこにオムライス&メンチ。「どうぞ、ごゆっくり」の一言がうれしい。調味料のお盆にはウスターソースだ。イイね。メンチにドバッとかけて熱々をバクリ、そこにビール。再びサイコ~。オムライスは昔風。ケチャップたっぷりの真ん中にスプーンを差し込み大口開けてバクリ。中身は鶏肉たっぷりのチキンライス。トマトの酸味が鼻に抜ける。あっという間に食べ終わり、しばし渋茶で食休み。ごちそうさまでした。おかげさまですっかり整いました。 (藤井優)

○来福亭 中央区日本橋人形町1-17-10

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網