小結・安青錦が「速射砲30発」に耐えて4勝目 ウクライナ出身の気鋭が突き進む出世街道
1発、2発、3発、4発……数えるのも嫌になるくらいの突っ張りに耐え、白星を掴んだ。
小結の安青錦(21)が20日、ベテランの高安(35)と対戦。立ち合いから回転の速い“速射砲”ばりの突っ張りを、およそ30発浴びながらも前進を続け、最後は懐に入って寄り切った。
これで4勝2敗。先場所は前頭筆頭で11勝しており、今場所の成績次第では来場所が大関とりのチャンスとなる。
「高安の素早い突っ張りは一見、軽い上突っ張りに見えるかもしれないが、きちんと腕を引いて伸ばす、威力のある一撃です。それを30発も食らえば、ほとんどの力士は上体を起こされてもおかしくない。足腰と体幹が強い安青錦だからこそ、耐えられたのでしょう」(角界OB)
今後はさらなる出世が期待されるウクライナ出身の新鋭だ。
「大関までは順調に出世できるのではないか。安青錦は低い姿勢から相手の体に頭をつけ、まわしを取ってからの寄りが武器。昔の小兵力士に多かったように、相手に警戒された方が強みを発揮するタイプです。その好例が3日目の琴桜戦。先場所、内無双で敗れた琴桜は『絶対に頭をつけさせない』と言わんばかりに距離を取って突き押しを繰り出したが、むしろ安青錦の思うツボ。まわしに執着せず、一方的に押し出した。業師で知られた師匠の安治川親方(元関脇安美錦)ばりの技と頭脳ですよ」(同)