緑茶市場の熾烈なシェア争い トップ独走の伊藤園を猛追する小売PB商品の台頭
緑茶市場は伊藤園の「お~いお茶」がトップシェアを維持してきた。年間販売数量は8000万ケース超を維持。コカ・コーラの「綾鷹」とサントリーの「伊右衛門」は6000万ケース前後で2位争いを続けている(飲料総研調べ)。キリンが手がける「生茶」は4位で、24年に3000万ケースを突破したばかりだ。伊藤園の独走について、飲料メーカーの幹部は次のように分析する。
「綾鷹や伊右衛門は苦みや渋みなどの緑茶らしさが評価されているが、両者の発売は2000年以降で、1989年発売の『お~いお茶』より遅い。『お~いお茶』が全国のスーパーやコンビニを押さえている以上、後発がシェアを伸ばすには10年単位の時間がかかる」
4社が同じ小売チェーンに卸しても、店舗によっては「お~いお茶」しか置いていない事例もあるという。
伊藤園は66年にパッケージ茶の販売会社として創業した。80年代に缶入りのウーロン茶と煎茶を発売し、89年発売の「お~いお茶」が大ヒット。96年に東証2部上場を果たし、98年に東証1部へ鞍替えする。2006年には国内でタリーズコーヒーを運営するフードエックス・グローブを子会社化し、カフェ事業に参入。翌年からタリーズブランドの飲料を発売した。