【現地ルポ】クマ禍被害最多の秋田県で見た住民の悲鳴と精神的疲労
観光業や農産物、地方経済に深刻な影響
紅葉シーズンを迎えている行楽地でも、宿泊施設のキャンセルが相次ぐ。
従業員も玄関先や駐車場の掃除、露天風呂の清掃など、細心の注意を払いながら屋外作業を行っている。
クマによる食害も深刻だ。
「夏場は桃、今の時期はリンゴ、ソバの実、稲が食われています。特にソバはほとんどやられています。リンゴとソバは例年の6割減の収穫だった昨年より、さらに2、3割減り、かなりの被害額になる。収穫には危険が伴ううえ、せっかく育てた農作物を食い荒らされ、収入がなくなるわけです。生産者はみな精神的につらく、トリプルパンチです。7、8月はきゅうりやトマトもやられました。これまでクマがきゅうりを食べることはなかったが、ビニールハウスを開けて入っていた。なかなか効果的な対策がないのが現状ですが、国には生産者に対する鳥獣被害の補償も検討して欲しいです」(JAかづの担当者)
屋外が仕事場となる道路工事や電気、水道、建設現場などの作業員や新聞、郵便配達員、コンビニやスーパー、ガソリンスタンドの従業員も危険と隣り合わせだ。
住民はクマの恐怖におびえ、精神的ストレスを抱えながら日々の生活を送っている。
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