著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナワクチンが「がん免疫療法」の効果を高める? 科学誌ネイチャー論文掲載

公開日: 更新日:

 がん治療の進歩は目覚ましく、近年では「免疫チェックポイント阻害薬」を用いた新たな薬物療法(以下、免疫療法)も実用化されています。同薬は、免疫機能を抑制しているブレーキを解除することで、がん細胞に対する免疫細胞の攻撃性を増強させます。

 しかし、免疫療法による延命効果は一部の患者に限られており、その効果が限定的な患者も少なくありません。そのため、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を応用して、がん細胞に固有のタンパク質を産生させ、このタンパク質を目印とすることで、免疫療法の効果を高める治療法が開発中です。

 そのような中、すでに実用化されている新型コロナウイルスmRNAワクチンでも、免疫療法の効果を増強できるかを検討した研究論文が、世界的に有名な科学誌のネイチャーに、2025年10月22日付で掲載されました。

 この研究論文では、免疫療法を受けている肺がん患者884人と、悪性黒色腫(悪性の皮膚がん)患者210人が対象となりました。研究参加者は、新型コロナウイルスmRNAワクチンを接種したグループ(ワクチン接種群)と、同ワクチンを接種していないグループ(ワクチン非接種群)に分けられ、死亡リスクなどが比較されました。

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