ジャズボーカリストNAOKOインタビュー「ウイスキーで心地のいい余韻を楽しむ」
ジャズを歌い始めた頃は、ウイスキーっていうと「大人の世界」のイメージでした。ライブが終わった後、お客さんやミュージシャンが飲んでいる姿を見て、「大人っぽいな」「格好いいな」と思っていたのですが、私にはまだちょっとその良さが分からなくて。
スペインに住んでいた頃は、友達とよくカフェでワインを飲んでいました。安くておいしいし、保存料が一切入ってなくて、ナチュラルなんです。でも日本に帰ってきたら、体が酸化防止剤を受けつけなくて。お酒を飲む機会があると「何を飲もうかな」って迷っていたら、「おや、ウイスキーがあるぞ」と。飲んでみたらこれがおいしくて。1年ぐらい前のことです。最初は角ハイボールばかり飲んでいました。その後、共演したミュージシャンがストレートで飲んでいるのを見て、「私も飲んでみよう」という気になったんです。ハイボールとは味が全然違ってとても濃厚で、飲んだ後、ドーンってくる感じがすごい。これはいいなと。
■NYのJAZZBARで飲んだ思い出のソーダ割り
1人旅が好きで、以前ニューヨークを訪れた際、前から行きたかった有名なジャズバー「バードランド」で「ソーダ割り」をオーダーしました。バーテンダーのお兄さんに「何のウイスキーにしますか?」って聞かれ、分からなくて「お任せで」って伝えたら、ジム・ビームのソーダ割りを作ってくれて。それがすごくおいしかった。憧れのお店で演奏を聴きながら飲んだその一杯は、今もその光景とともに深く印象に残っています。
昔は「ビールで乾杯!」みたいな感じだったのが、お酒って一緒に飲む人と時間や空間を共有しつつ、もっとゆっくり飲みたいな、少しずつ飲むのもいいかもと思うようになった。歌に関しても、最近は昔みたいに技術にこだわるより、自分が伝えたい思いを相手に届けたいっていうことを最優先するようになりました。これまでは足そう足そうと思っていたのが、ちょっとずつ引いていったらちょうど良くなり、「心地いいなぁ」って。お酒もそれと一緒で、友達と過ごしている情景やたわいのない会話がすべてひとつになって心に残る。余韻を楽しめるんです。
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