「100年後のビールのために」 その一心でスイングカランの錫管サーバーを復刻させた情熱
HIGHBURY THE CAVE OF BEER(神奈川・桜木町)
うまいビールをじっくり味わうなら、パブやビアバーなどのビール専門店が一番だ。とことん吟味して仕入れた銘柄を楽しむもよし、注ぎ手の技術を楽しむもよし。珠玉の一杯を提供する東西4軒を取材した。(1回/全4回)
「100年後のビールのために」
安藤耕平さん(42)は高専を卒業して大学3年に編入すると、すぐに休学して英国に半年間留学した。英プレミアリーグのアーセナルの大ファンで、老朽化で移転が決まっていた本拠地ハイバリー・スタジアムで観戦するためだ。英国でサッカーとパブはセット。そんな生活を繰り返すうちに、いつの間にか、当初「マズイ」と感じた英国のビールにハマっていた。
帰国するとビール熱は高まる一方で、卒業後はビール関連の就職を目指す。英国や茨城のブルワリーなどで技術を学んだ後、自らの店を持つ。それが大好きなチームの本拠地から取ったハイバリーで、2016年に開いた新宿の1号店に続き、2年前にこの店をオープンした。
「ビールは、サッカー選手になると思っていた僕の人生を変えてくれました。しかし、本場英国だけでなく、世界的にビールは衰退しています。だから恩返しがしたい。それで『100年後のビールのために』をコンセプトに掲げ、まず取り掛かったのが、日本が元気だった高度経済成長期に親しまれていた、スイングカランの錫管サーバーの復刻でした」
安藤さんは熱く語るが、計画が始まった3年前に錫管サーバーはない。すべてイチからそろえる、気の遠くなる作業だったが、その情熱が人を引きつけた。
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