二木啓孝
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二木啓孝

1949年生まれ。鹿児島県出身。明大中退。日刊現代ニュース編集部長を経て、日本BS放送取締役・解説委員。

落合恵子さん<中>

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二木 いろんな活動をされていますが、最近気になることは?

落合 ひとつは、この列島で平然と原発再稼働に踏み切っていることです。住民はもとより、反対の声があがっているのに立ち止まらない政治とは何だろう。同時に、反対の声をあげる私たちも自己満足ではいけない。2011年3月11日以降、言葉の勉強をもう一度しなきゃと思うようになりました。仲間内でうなずくのは容易なことですが、まったく違う考えの人、タッチしたくない人に自らの言葉がどこまで届きうるか、あるいはどこで届かないか。そういったことを含めて言葉の勉強を改めてしていますが、難しいですね。

二木 土台から全部がなくなってしまった原発事故で私も価値観が変わり、過去の思い出でしかない本や取材メモなどを一切処分しました。被災者は命は助かった方でもすべてがなくなってしまった。電力を含めて、社会が虚構の上に成り立っていたという思いからです。それなのに、また本を買い込んでいる。自分の中にも風化があるのかなと思いますね。

落合 (反原発の科学者)高木仁三郎さんがお元気だったころ、(クレヨンハウスで)講座をやっていただいていました。チェルノブイリ事故の直後ですね。私自身はスリーマイル島事故の時に米国の知人が送ってくれたプライベートビデオを見て“やっぱり原発は危険なのだ”という思いは持っていて、チェルノブイリ以降は抗議行動にも参加していました。その後、高木さんが亡くなられ、(原発の存在を問うことは)どこかそれが許される場所、主にクレヨンハウスで刊行している雑誌などで書いていました。もうじき100回目を迎えるんですが、「原発を考える」という勉強会を土曜の朝9時に毎月開催しています。高木さんご健在のころに講座に参加されていた女性が、いまは祖母になられて“孫のために学びたい”とおっしゃっています。

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