シャープ再建案は鴻海に軍配 決め手は“マイナス金利”だった
シャープは、台湾の鴻海精密工業の買収案を受け入れる方向で最終調整に入った。大方の予想は官民ファンド、産業革新機構案だったから、鴻海は土壇場で大逆転したことになる。
4日、阪急阪神HDの角和夫社長は、「日本企業同士が連携して競争力を上げていくのが一般的なやり方ではないか」と話し、大手銀行幹部は、「技術流出の恐れもあり、革新機構の案がよかった」とつぶやいた。
これが大方の見方だったから、株式市場からも驚きの声が上がっている。
「鴻海案は雇用の維持や、現経営陣の続投を認めるなど、革新機構の再建案に比べると、シャープにとって魅力的だったのでしょう。ただ、シャープの取締役にはメーンバンク出身者や、経産省OBがいる。彼らは鴻海案を受け入れないと思っていたのですが……」(市場関係者)