大沼含め115件 新型肺炎が招く百貨店倒産ラッシュの現実味
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は、日本経済にも大きな脅威だ。中でも「冬の時代」が長引く百貨店。最近は訪日客の爆買い頼みだっただけに、弱り目にたたり目である。
人口減少に加えて、ネット通販や専門店の攻勢など逆風の中、百貨店業界はジリ貧だ。
27日、創業320年の老舗百貨店「大沼」(山形市)が倒産し、山形県から百貨店が消えた。昨年は伊勢丹の相模原店など少なくとも9店舗が閉店。この先も「そごう・西武」は、今年から来年にかけて神戸市や徳島市など5店舗、「高島屋」も今年、神奈川県の店舗を閉めることが決まっている。東京商工リサーチの集計によると、2000年以降の百貨店の倒産は大沼を含め115件に上る。
もともと、苦しい業界なのだが、とりわけ昨年から今年にかけ、厳しさが増している。消費増税と暖冬だ。
「昨年の消費増税以降、お客さんの財布の紐が固くなっていることに加えて、今年は暖冬の影響で、コートなど冬物衣料が絶不調。バーゲンでも例年より客は少なく、思い切った値下げをしてもなかなか売れません」(百貨店関係者)