幹線道路沿い“売土地”が…地方はいつまでも成約しない現実

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 地方では今、急激に人口が減ってきています。特に少子高齢化が顕著なエリアでは、東京中心部とはまったく違った風景に出会うことがあります。

 たとえば幹線道路を車で走っていると、道路沿いの数百坪、数千坪という土地に「売土地」と書かれた看板が立っているのをよく目にします。そして数年後、ふたたび同じ場所を走っていると、その看板がなんら変わらず立っているのです。

 最初は「まだ売れていないんだな」と思うだけでした。しかし3年経っても、5年経っても「売土地」の看板が立っているのを見ると、「この土地はもう、永久に売れないのではないか?」と思えてきます。

 とはいえ、幹線道路沿いの土地なので、周辺にはいたるところにお店があります。全国展開しているコンビニエンスストアや、地元で有名なスーパーマーケット、大手ファストフード店なども見受けられます。

 しかし、こうした小売店や飲食店は、地主から土地を借りたり、建物を建ててもらったりして出店します。土地を買うわけではないのです。土地を買うまでのコストをかけて店を出す企業は、東京中心部でさえほぼないのが現状です。

■土地を買ってまで成り立つ商売がない

 実際、不動産業界ではずいぶん前から、「どんな商売であっても、土地を買って建物を建てて経営が成り立つ商売はほとんどない」と言われています。

 つまり、人口減少が著しい地域においては、店舗用地として一等地であるはずの幹線道路沿いのまとまった土地の買い手が、地元にはすでに存在しないのです。それが今、地方が置かれている厳しい現実です。

 中には、パチンコ店やクリニックが開業する場合もあるかもしれません。しかし、それは極めてまれなケースです。なぜならば、この二つの業種でさえ地方では廃業する件数が増えているのです。

 また、ある程度利益を出している業種であっても、何も土地を買ってまでやる必要がないのです。なぜなら、土地を売ろうとする地主以上に、土地を貸してくれる地主がいくらでも存在するからです。

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