<6>「老後の沙汰も金次第」を痛感…“夢のような生活”を手に入れた元同僚に嫉妬する
人生100年時代の“ついのすみか”探しに奔走する遠井安男(仮名)。かつての同僚だった近野高夫(仮名)がシニア向けマンションに買い替えたというので、どんな住まいか訪問してみた。
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現在75歳の遠井は、40年ほど前に埼玉県熊谷市郊外に建売住宅を買ったが、近野もほぼ同じ時期に都心近くの新築マンションを買っている。遠井の一戸建てはいまや建物価値はゼロで、査定価格は土地の値段だけの700万円。それに対して近野が買ったマンションは立地の良さもあって1億円近くで売れ、それをもとに房総半島に立つ新築のシニア向けマンションを購入したというのだ。
わずかな選択の差が、40年経って天と地ほどの差に広がってしまった。今回の見学で、その現実をいっそう思い知らされることになる。
訪れてみると、白砂の海岸に立つ、周囲を緑に囲まれた高級感あふれる超高層マンション。エントランスはホテルのロビーのような豪華さで、フロントには若い女性のコンシェルジュがいる。シニア向けだから、完全バリアフリーで、健康管理体制なども充実している。