小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

攻めるトヨタ! 新型ヤリスは広さより走る楽しさを取った

公開日: 更新日:

トヨタ・ヤリス(車両価格¥1,395,000~/税込み)

 新型コロナ問題で大規模試乗会が軒並み中止に追い込まれている自動車メディア業界。2月発売で国内初期受注3万7000台と絶好調の新型コンパクト、トヨタ・ヤリスもその例に漏れずで、仕方ないので個別に借り出してみた。それも世界最高燃費の新型ハイブリッド仕様は予約で一杯なので、まずは2番人気の新型1.5ℓガソリンモデルから。

 すると新型の狙いが逆によく分かった。まずビックリするのはボディーサイズで、全長×全幅×全高は3940×1695×1500mmと旧型より5mm短く、実質30mmも低い。車内スペースは旧型同等と言うが、見た目はよりキャビンが絞られ、目ヂカラが増し、横一体のリアコンビランプも付いて凝縮感が増している。

 簡単に言うと旧型ヴィッツのイメージを残しつつスポーツカー化。

発進専用に1速ギア

 乗るとそれは歴然で、小径化されたステアリングホイールと軽量かつ高剛性な新世代GA-Bプラットフォームによりステアリングフィール、乗り心地は高級スポーツカー顔負け。しっとりしていつつ、グイグイ曲がるハンドリングと硬めだが一体感ある走りが味わえる。

 さらにこちらも新開発の120ps1.5ℓ直噴ダイナミックフォースエンジンとダイレクトシフトCVTの加速感がいい。発進専用に1速ギアを設けたおかげで、出足にもっさり感、加速の遅れがなく、気持ち良く走れる。CVTでありながらMT的にも走れる。

 パワー感も最軽量モデルで1トンを切るだけに、思いのほか豊か。

クルマ作りの方向性はホンダ・フィットと真逆

 一方、正直リアシートに開放感は無く、大人2人が普通に座れる程度。狭めのラゲッジスペースもあって、家族4人の長距離移動や大荷物を積むアウトドアスポーツには不向き。世間では一応、同じ2月に出たホンダ・フィットのライバルともいわれているが、クルマ作りの方向性は真逆。広さ、快適性重視でプチミニバンとも言える前者に対し、ヤリスは完全に走りとカッコよさ重視。事実トヨタは新型で久しぶりに11月のWRC(世界ラリー選手権)ラリー・ジャパンに出場。かつての家族向けコンパクトのイメージからより走りの方向にシフトするのだ。

 なぜならヤリスは世界的なトヨタのスポーツイメージを背負ったイメージリーダーでもあり、コンパクトな実用ハッチバックは今後出てくる新型アクアに役割を譲る。ヤリスはそれもあって、ますますスポーツ路線に振り切れたってワケだ。

 イマドキ軽自動車からコンパクトまで基本背高ノッポのスペース系が人気となるニッポンの自動車市場。いくら強力ハイブリッドを備えるとはいえ、新型ヤリスの勢いがどこまで続くかは見ものなのだ。

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