日産ゴーン裁判 西川氏の不起訴でケリー被告も“無罪確実”
「犯罪の共謀に関与していない」
ゴーン事件を巡り、15日に東京地裁で開かれた初公判で、検察に全面対決の姿勢を見せたのは日産自動車元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)だ。ともに起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(66)のレバノン逃亡から約9カ月。「主役不在」で迎えた異例の裁判は「ケリー無罪」の判決が下される可能性が高い。
ケリーはゴーンの元側近。2018年11月に東京地検特捜部に“電撃逮捕”された後、2010~17年度のゴーンの報酬を実際より91億円少なく見せかけ、有価証券報告書に虚偽記載した金融商品取引法違反罪で起訴された。公判は2週間に4回のペースで開かれ、来年7月まで予備日を含め計76回を予定している。
約10カ月に及ぶ「闘争」の争点は、未記載の91億円が、ゴーンが退任後に受け取る「未払い報酬」として確定していたかどうか。さらに、ケリーが支払い方法の検討に関与していたかどうかだ。
こうした疑義に、弁護側は初公判で「『未払い報酬』の支払いについての合意が、ゴーン氏と日産との間で成立していない」と主張。ケリーも「ゴーン氏に報酬を支払うことを検討したが、あくまで合法的な方法を探るためだった」と、違法性を否定した。