首都圏近郊で「家賃0円」物件誕生 収益出ずなぜ貸せるのか

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 2016年、暴力団関係者の会合に出席した、いわゆる闇営業で謹慎処分を受け、その後、仕事が激減したお笑いコンビのスリムクラブ。コンビのひとり、内間政成が今、住宅ローン破綻の危機を迎えているという。

 闇営業による謹慎が明けた後も仕事の依頼が戻らず、収入が月20万円のローン返済額に満たない月もあるという。内間は人気絶頂の13年に番組の企画で6000万円の中古戸建て物件を購入した。

「ご本人も勢いで買ったと話しているように、購入後に基礎部分など物件のあちこちに欠陥があることが判明したため、今、売るとしても結局は更地にしないとならないでしょう。ですので、せいぜい土地代程度が出ればいいほうだと思います。都内であれば、アベノミクスの影響で不動産価格が高止まりしている状況ですので、内間さんの場合、もし中古戸建てではなく中古マンションを購入していたら、買値以上の価格で売却できたと思います」(都内の不動産業者)

 6000万円を35年のフルローンで購入した内間。飲み歩きが趣味のため、貯金もほとんどなく返済に苦慮している。その間、妻はパートを始め、所属事務所に借金をすることもあったという。

 家賃やローンが払えないケースが、このコロナ禍で増えているという。

「解雇などで住宅ローンの支払いが厳しくなったケースは少なくありません。こちらにも売却の相談がありますが、内間さんのケースのように、ほとんどの場合が買値よりも安い価格でしか売却できません。ですので、売れたとしてもローンの残債が支払えないケースもあり、当面は銀行に支払い猶予をしてもらったり、どこかからお金を借りたりしながら、次の仕事を早く見つけるしかない人もいました」(前出の都内の不動産業者)

■住まいに困ることはない

 しかし、仮に住むところを失ったとしても、地方や都市郊外であれば、ただ同然の空き家が転がっている状況だ。

 18年の日本の空き家率は13・6%、戸数は846万戸で過去最高を更新(総務省「住宅・土地統計調査」から)。住宅地として人気のある東京都世田谷区が全国で最も空き家が多いことも判明。地方だけでなく都市部でも空き家増加の流れが加速していくなか、首都圏近郊では「家賃0円」の賃貸住宅が現れたことも話題になった。

 静岡県伊豆の国市の駅徒歩7分の7DK家賃0円物件をはじめ、数多くの空き家物件を取り扱っている不動産会社リライト(横浜市)代表の田中裕治さんによると、コロナ禍による在宅勤務の常態化で、都市から地方への移住が促進されたケースはほんのわずかだったものの、都市と地方の2拠点居住を模索している人からの問い合わせは増えているという。

憧れの別荘地もタダ同然まで下落

 リライトではこれまで東伊豆の温泉付き「1円別荘」、富士山の麓にある「1円農地」なども取り扱ってきている。空き家が増えているとはいえ、なぜ収益が出ない「家賃0円」で貸し出せるのか。

「主に東京や横浜で不動産売買や賃貸仲介を行っていますが、基本的に全国のどのエリアの物件にも対応していて、そうしたなかで処分に困っている物件の相談が寄せられるようになりました。『0円物件』のような事案は交通費などの実費をいただくだけで、地域貢献でやらせていただいています。なかなかすべてに対応できていない状況です」(田中さん)

 地方の空き家だけでなく、以前は高根の花だった別荘地も、所有者の高齢化などで売り出しが増えているという。

「最近は草取りさえやってもらえれば、使ってくれていいよという所有者も少なくありません。別荘地の場合、毎年の固定資産税のほかに管理費がかかるため、売るに売れないというところも出ています。こうしたところは、売り主がいくらかのお金を負担してでも手放したいというケースが今後はさらに増えてくるでしょう」(田中さん)

■東京近郊なら公営住宅がオススメ

 さらに、東京近郊にも空き物件は増えているという。なかでもオススメなのが公営住宅とのこと。

「人口減少、少子高齢化の影響で都心から1時間圏内の公営住宅の空室が増えています。多摩ニュータウンなど、広大な敷地に建てられた団地は交通や生活面で多少不便だったりしますが、比較的安い家賃で借りられるので、都内に仕事はあるものの住む場所に困っているという人には、こうした選択があることも知っていただきたいですね」(前出の都内の不動産業者)

 東京の公営住宅を取り扱う東京都住宅供給公社のホームページによると、この11月の定期募集では、家族向け、単身者向けの住戸の募集が3000戸以上もある。低所得者向けの都営住宅の場合、23区や郊外はもちろん、千代田区、港区、中央区の都心3区のなかでも好立地の場所にある物件も少なくない。

「さすがに都心3区の都営住宅は人気も高いので募集があるたびに抽選が高倍率になりますが、少し離れた郊外であれば、比較的入居しやすいと思います」(前出の都内の不動産業者)

 そして最後に、前出の田中さんに現在募集している空き家物件について教えてもらった。

 別荘地として人気の群馬県嬬恋村の物件。土地面積109坪、建物面積56平方メートルの2階建てで100万円の物件だ。

「1972(昭和47)年築で建物が老朽化しているのでリフォームが必要な点、さらに、室内外に残置物がある点、管理費が年間5万7200円かかる点などが挙げられますが、観光地が近く自然豊かでバーベキューなども楽しめる場所です」

 他にも、栃木県那須郡那須町の別荘地を50万円での販売も予定している。こちらは巡回パトロール、ゴミ処理などオプションに応じて管理費が年間13万2000~18万7000円かかる。

 仕事を失い住む場所に困っていても、場所を選ばなければ、なんとかなることを知っておくことも大切だろう。

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