EV車には限界が 「水素エンジン自動車」という第3の選択肢
日本は2030年度までに13年度比で温室効果ガスを26%削減することを国際公約している。そこで今年1月には菅首相が「35年までに新車販売で電動車100%にする」と表明。電動車には電気自動車(EV)と水素燃料で動く燃料電池車(FCV)がある。いずれの駆動源もモーターだ。
3月24日、トヨタ、日野、いすゞの3社が共同会見で協業を発表。今後、いすゞと日野はトヨタの燃料電池を搭載する小型FCトラックを走らせる。ただ、あくまで「小型」のトラックだ。なぜか。
水素エンジンの実用化を手がけている「i Labo」の岩崎哲夫取締役会長に水素自動車について話を聞いた。岩崎氏は半導体業界で活躍し、サムスン電子の社外取締役も歴任した経営のプロ。
「軽量車はEVでもいいが、重量のある貨物車や重機、船舶などを動かす場合、とてつもなく大きなモーターや大容量の蓄電池が必要になります」
燃料電池車は水素燃料を電気分解して発電しモーターを駆動させる。トヨタのMIRAIがそうだ。