古本伸一郎氏の不出馬は衝撃だった…トヨタ自動車の“政治離れ”が揺らす財・労の連携
政界通(以下=政) 4年ぶりの衆議院選もあと数日だが、経済界の話題は例のトヨタ自動車の「政治離れ」か?
官界通(同=官) あれは、衝撃だった。7選を目指していたトヨタ労組出身の古本伸一郎氏(無所属)が直前に立候補を取りやめ、記者会見に労組の幹部が同席していた。自動車業界の労組は長らく、中道の旧民社党や野党の民主党の候補を支援してきたのに、立候補に反対したのには驚いた。どういう背景なんだ?
財界通(同=財) 一部メディアは「労組が政府・与党との対決に慎重になった」「自民を支持する経営側の意向も踏まえた」と報じたが、ちょっと違う。古本氏は、経営陣が心配するほど過激な野党議員ではない。
政 そうだ。旧民主党から議員になり、希望の党から6選を果たした後、中道的な国民民主党にいた。左翼色が強い立憲民主党との合流にも参加せず、他の民間労組系議員とともに無所属を選んだ。そんな古本氏を労組が支援しても、経営陣が目くじらを立てる話ではない。