“日大のドン”田中理事長逮捕「政治家に渡した裏金全部ぶちまける」でパンドラの箱が開くのか
所得税約5300万円を脱税した疑いで、東京地検特捜部は29日、日本大学の田中英寿理事長(74)を所得税法違反容疑で逮捕した。特捜部は日本大学医学部付属板橋病院を巡る背任事件で、建て替え工事の設計や医療機器の調達などで大学に計4億2000万円の損害を与えたとして、田中容疑者側近の日大元理事の井ノ口忠男、医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳両被告をすでに背任罪で起訴している。
“頂上決戦”と称して、田中容疑者の立件に意欲を見せてきた検察側は、今年9~10月に東京・阿佐ヶ谷の田中容疑者の妻・優子氏が経営するちゃんこ屋兼自宅を2回、家宅捜索した。その際に部屋から2億超の現金が見つかり、特捜部は所得税法違反の疑いがあるとみて調べを進めていた。
「特捜部は、井ノ口被告から理事長に渡った1000万円の銀行支店の帯封をも家宅捜索の際に押収しています。今回、特捜部は田中理事長が井ノ口と籔本両被告から受け取った現金を意図的に隠していたとみなし、所得税法違反での逮捕に踏み切ったのでしょう。ここから田中邸から押収した現金と背任事件を結びつけられるかが捜査の焦点となります」(捜査事情通)