トラブル続き「みずほFG」新社長人事に政界仰天! 岸田首相の“懐刀”の実兄だった

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 メガバンクのトップ人事が永田町で話題を呼んでいる。

 傘下のみずほ銀行でシステム障害が相次いだみずほフィナンシャルグループ(FG)が、責任を取って4月に辞任する坂井辰史社長(62)の後任に木原正裕執行役(56)を昇格させる方針を固めたのだ。木原氏は一橋大卒で89年に日本興業銀行(現みずほFG)入行。財務企画やリスク管理などの部署を経て、現在はみずほ銀で常務を務めている。

 平成入行の経営トップはメガバンクで初めてで、一気に若返るゴボウ抜き人事だが、木原氏の昇格が政界で注目を集めたのは、岸田首相の懐刀として知られる木原誠二官房副長官(51)の実兄だからだ。

「木原副長官は東大から大蔵省に入り、政治家になりましたが、家族は兄も父親も銀行マンという“銀行一家”です。祖父も銀行幹部、高祖父は地方銀行の頭取だったそうで、“華麗なる一族”ですよ」(財務省関係者)

「みずほは変わらない」というメッセージ

 みずほ銀行は昨年8回ものシステム障害を起こし、金融庁から行政処分、財務省からも外為法に基づく是正措置命令を受けた。専門家を派遣してトラブルの原因を調査した金融庁が、「言うべきことを言わない、言われたことしかしない」企業風土に問題があると断じたのは異例のことだ。昨年11月に業務改善命令を出した金融庁が今月17日までに改善計画を提出するよう求める中、同日に開かれるみずほFGの取締役会で木原氏の社長昇格人事が正式に決定する。

「興銀のエースと言われた木原氏は優秀と評判で、社長就任は不思議ではないが、これで3代続けて興銀出身者がグループのトップに就くことになる。金融業界では、『みずほは変わらない』というメッセージだと受け取られています。トラブルの再発防止を徹底し、顧客第一のみずほ銀に生まれ変わるには、商業銀行の第一勧業や富士出身者、あるいは外部の人をトップに迎えるくらいの思い切った経営刷新をしないと難しいでしょう。政権中枢を担う副長官の実兄をトップに据えるのは、政権への忖度や当局に対する牽制ではないかという見方も業界内には当然あります」(金融ジャーナリストの小林佳樹氏)

 新社長人事が報道された11日も、みずほ銀では法人向けインターネットバンキングのシステムに不具合が発生。今後もシステム障害が多発したとしても、今をときめく副長官の実兄がトップでは、金融庁も処分を下しづらくなるか。
 

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