カインズ(下)“第3の創業期”で目指すIT小売業…東急ハンズ買収で「新しいDIY文化の共創」の実現なるか
昨年末に東急ハンズの買収を発表したホームセンター(HC)業界最大手のカインズ。
創業は1989年。群馬県のローカルスーパーだった「いせや(現ベイシア)」のHC部門が独立した会社で、ワークマンなどとともにベイシアグループを構成する。
ベイシアグループは総売上高1兆271億円(2020年度)、国内6番目の流通グループだが、カインズはグループ内最大手で、売上高は4854億円を誇る。東急ハンズを買収する(3月31日付)と、単純計算で売上高は5000億円を超える。
このカインズを率いるのは高家正行社長。もともと三井銀行(現三井住友銀行)に入社したが、プロ経営者を目指してコンサルタントとなり、その後ミスミ(現ミスミグループ本社)に転じて社長を務める。そして次の舞台として選んだのがカインズだった。
高家社長は今を「第3の創業期」と位置づけている。「第1」は約30年前の創業時。「第2」はSPA(製造小売業)宣言を行った07年。この時以降、カインズはオリジナル商品開発に力を注ぐ。それが消費者に支持され、カインズを業界最大手に押し上げた。