3月「腕力相場」を演出した自社株買い…“ロシア包囲網”でも株価上昇
日経平均株価は、3月9日の安値2万4717円から、29日には2万8252円と「中国包囲網」に続く、「ロシア包囲網」の形成など投資環境が好転しない中でも上昇。2021年3月末の2万9178円に向けた水準訂正が進んだ。
これは、3月が決算期末であり、自己売買のため多くの株式を保有する証券会社を中核に、生保や銀行、株式投信など株式含み損の計上を警戒する投資家を巻き込んだ決算期末特有の「腕力相場」が機能したからだろう。
無論、売り方のヘッジファンドなど外国人投資家が買い戻して、利益確定したことも寄与しただろう。2月下旬の当連載で指摘したとおりの3月相場展開となった。
東証(1部・2部など)の投資主体別売買動向(週間ベース)を見ると、新年度入りした外国人投資家は、1月1週に2988億円、2月3週に32億円を買い越した以外、すべての週で売り越し。年初から3月3週まで累計2兆4898億円を売り越した。ただ、3月2週の9935億円の売り越しが、3月3週に1955億円の売り越しに急減、これも上げ相場に寄与しただろう。